思えば初めてだったが

 NEC PC-8801の中古を購入して、漢字ROMを月刊ASCIIの広告を見て通販で手に入れた頃、エプソンのMP-80をもらった。これはプリンターの「EPSON」ブランドを世界的に有名にした大ヒットモデルだ。 
 PC-8801に搭載されているBASICはまだ漢字が扱えなかったので、ハドソンの日本語BASICを買う。これはPC-8801mkIIに添付されていたNECの日本語BASICより優秀だったが、ハドソンのBASICは普及しなかった。NECの日本語BASICは漢字の扱いがかなりトリッキーで面倒なことが多かった。
 
 プリンターに漢字ROMはなく、パソコンの漢字ROMのデータをグラフィックで印字していた。半角文字は16×8ドット、漢字は16×16ドットだった。(実はもうちょっと複雑で補正していたと思うが忘れた。)
 
 当時のプリンターのグラフィックには低解像度モードと高解像度モードがあって、上の方法で漢字を印字する時には高解像度モードだった。しかし、もらったMP-80では漢字が印刷できなかった。悠長な時代だったので、すぐにEPSONに修理を依頼する。
 EPSONの修理はずさんだった。異常なしで返品されて来てしまい、自分で調べると、低解像度モードでは問題がないが、高解像度モードでは動かなかった。漢字が印刷できないので、またEPSONに送る。数回繰り返した。最終的に上蓋にひびが入り、突起部分の一部が折れて戻ってきたが、それでもやっと正常に漢字が印刷できるようになった。
 
 苦難はまだ続く。
 用紙は10×11インチの連続紙で、30ページを印刷しようとすると、決まって20ページを過ぎたあたりで止まってしまうのだ。
 
 これは故障ではなく、エプソンのプリンタの仕様だと思った。仕方がないので、NECのプリンターを買った。これは支障なく長く使えた。外観も堅固そうに見えた。
 
 思えば、それ以来、EPSONには手を出さないようにしていた。
 
 しかし、ずっとEPSONを応援したい気持ちが少しあった。それでもう大丈夫かと初めてEPSONの商品を買ったのだが、やはり・・・・!