紅葉はまだだった

 気がなかったり、雨が降ったりして延び延びになっていたが、久しぶりに愛犬のリサを洗う。
 そのままいつもの138タワーパークに向かうが、駐車場は満杯。木曽川を越して、河川環境楽園に向かう。表玄関に直結する中央駐車場は混雑していたが、東口駐車場に回ると空いていた。ここからは自然を残した、と言っても中央に舗装した散歩道が通っている、河の森を抜けて公園に出る。どこも人で溢れている。サッと通り過ぎて、車で木曽川沿いに東へ。犬山方面に向かう。
 
 そのまま犬山の寂光院へ。
 
 階段を息切らして上がると本堂。お守りを売っているが代金は賽銭箱に入れろと書いてあった。
 
 駐車場近くの本坊の脇に休憩室がある。本堂には誰も関係者はいないが、本坊や休憩室にはお寺の人がいる。紅葉には一月早い。去年は初めて雪の積もった頃に来た。季節外れのいつもの旅。
 
 名古屋地方の喫茶店のモーニング・サービスはトーストや卵やその他色々が付いてきて全国的に有名だが、昼からでも当たり前におつまみが付いてくる。昔は小皿に小分けしてあったが、今は袋入り。中身は良くてピーナッツ、普通はあられだ。コーヒーを頼むとコーヒー・クリームと砂糖の小袋、おつまみの小袋が付いてくる。
 
 去年は休憩室で一服した。少し離れた場所で老人がコーヒーを飲んでいた。そのコーヒーをよくよく見ると変な白いふにゃふにゃが浮かんでいる。あられだ。小粒のあられがコーヒーに浸かっている。
 その老人は砂糖と間違えておつまみの袋をコーヒーにあけてしまったのだ。どうするのかと様子を窺っていたら、平然と何事もないようにコーヒーを飲んでいる。「間違えた」と一言謝れば恐らく替わりを出してくれるのだろうに、その気はなさそうだ。目が悪くて過ちが見えないのか、知っていてプライドにこだわっているのか、それとも、それが好きなのか。
 
 あの時は笑いを堪えるのに必死で聞くことは出来なかった。今回、休憩室を覗いてみるが、あの老人はいなかった。残念だ。