ゲームではない!

 ポール・オースターも好きな作家だ。私の想像力の遙か上の存在だ。
 最近ではラジオの視聴者の作文を朗読したりしているらしいのだが、それが作品としてまとめられ日本でも翻訳されている。
 その本の前説で、海兵隊員としてベトナムで過ごしたという人からの投稿が紹介されている。本当なのか作り話なのかわからないが、ベトナムでの生活が得意げに語られ、『その結末に、中隊仲間と一緒にベトナム人の赤ん坊をさらって丸焼きにし、キャンプファイアを囲んでみんなで食べたという記述があった。』
 
 戦争はどんな残酷な戦争映画よりもっと悲惨で非人間的だ。そこには国際法やモラルはない。あり得ないことすべてが許されるのが戦争なのだ。人道的な戦争はあり得ない。そこでは尊い命は雪のひとひらより軽い。
 
 古代では戦争の勝者は敗者を皆殺しにするか、奴隷として売り飛ばすのが当然の権利だった。