最後の努力

 塩野七生さんの『ローマ人の物語8巻 最後の努力』を読んでいる。このシリーズの最新刊と言っても去年末に買って積ん読してあった一冊。いつものことながら取っつきにくい堅苦しい史書なのにワクワクしながら読み進んでいる。これを原作にして映画化したら面白そうなんだけどこれだけは絶対に無理だろうな。
 
 ところが、元々偏見ではなく女流作家は敬遠している。著者が女性と言うだけで買うのを止めることも多い。登場人物がありきたりで、物語が安易に流れてしまったり、結末の詰みが甘かったりといつもどこかに不満を覚えることが多いからだ。男性作家だって同じような人も多いのだから、やはり偏見か?
 
 それでも塩野七生さんは卒論であり処女作の『チェザーレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』から付き合っている。著作とですが。
 
 ほかにも好きな女流作家にコニー・ウィルスがいて、古本まで探して読んだ。
 そのコニーさんは、実は、初期作品は最初に書いた女流作家の欠点がモノの見事にすべて当て嵌まる。女流作家故か、新人の女流作家だからそう書くように要求されてのことかわからないが、一目だけで判断してはいけないとよくわかる。最初に初期の作品を読んでいたら、最近の傑作を読み過ごす所だったのだ。
 
 どれだけ努力しても女性の見極め方は難しい。