隠れる蓑ひとつだに

 共産主義ってなんだったんだろうと思い浮かべると、結局独裁者の隠れ蓑でしかなかったのはないかという疑問に行き当たる。
 
 今の北朝鮮はそのものズバリだし、ロシアなんて共産主義の衣を脱いでも独裁主義へと邁進している。中国は少数独裁。左翼だなんて嘘っぱちで右翼より右になる。どこも人権問題の火種が始終燻っている。
 
 結局、共産主義とはアメリカに対抗する方便でしかなく、正当な共産主義国家は過去にも現在にも、そして未来にも存在しなかった。一応断っておくと、アメリカが庇護する国でも独裁国は多く、アメリカが善で共産主義が悪と単純に色分けするつもりはない。
 
 思想は理想であり、理想は現実には成り得ない。マルクスが今の社会を見たら悲しむのか、当然の帰着と達観するのかどちらだろう? 時代と共にねじ曲げられたことは確かだと思う。
 
 日本では共産党共産主義の看板を下ろして名前だけ残っているが、指導者の独裁的傾向は相変わらずだ。
 新左翼の連中は内ゲバに明け暮れ、理想を描くことすらできなかった。
 共産党よりも左寄りだった社会党左派の生き残りは未だに理想論を振り回している。残っているのは誰も相手にしない偏執的な左だけで、彼らは相も変わらず同じお題目を唱えている。正論なだけに中身がないことに早く気づくべきだ。
 
 しかし、一番の問題と思うのは全体に右に偏って、左がいなくなってしまったこと。右傾化しすぎてしまっている今の現状を憂えている。
 
 続くつもり。