バランスしてますか?

 特定保健用食品が人気を集めていると今更ながらにテレビのニュースで取り上げていた。特定保健用食品の定義をざっと下記に引用してみるがこれは読まなくても良い。飛ばしてください。

(1) 食生活の改善が図られ、健康の維持増進に寄与することが期待できるものであること。
(2) 食品又は関与成分について、表示しようとする保健の用途に係る科学的根拠が医学的、栄養学的に明らかにされていること。
(3) 食品又は関与成分についての適切な摂取量が医学的、栄養学的に設定できるものであること。
(4) 食品又は関与成分が添付資料等からみて安全なものであること。
(5) 関与成分について、次の事項が明らかにされていること。ただし、合理的理由がある場合は、この限りでない。
ア 物理学的、化学的及び生物学的性状並びにその試験方法
イ 訂正及び定量試験方法
(6) 同種の食品が一般に含有している栄養成分の組成を著しく損なったものでないこと。
(7) まれにしか食されないものでなく、日常的に食される食品であること。
(8) 食品又は関与成分が、「無承認無許可医薬品の指導取締りについて」(昭和46年6月1日付薬発第476号厚生省薬務局長通知)の別紙「医薬品の範囲に関する基準」の別添2「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)リスト」に含まれるものでないこと。

 
 要するに、食品に何らかの栄養成分を添加すれば特定保健用食品の要件を満たすことになる。例えば、豆乳にカルシウムを加えれば、充分に資格を満たすので、後は面倒な申請をするだけである。要不要は別として、添加する成分の組み合わせで色んな商品が生まれてくる。イソフラボンでは特定保健用食品の認可が下りないことは前に書いた。
 
 この時、製造方法もきちんと申請書に書かなくてはいけない。あるメーカーでは製造時に添加物を投入する順序を間違えただけで、成分的にはまったく問題がないけど、申請と違ったために全品を回収したことがある。お上のお墨付きをもらうためには大変なのである。
 
 今年の4月から、下記のような表示義務が生じた。これも読まなくてもいい。 >> 書くな!

「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを。」の表示の義務付け(平成17年2月1日施行)
過度に「健康食品」に期待する傾向を是正し、バランスの取れた食生活の普及啓発を図るために、保健機能食品(特定保健用食品及び栄養機能食品)において、上記の表示が義務付けられることになりました。
 なお、この表示を表示する場所は、消費者の方が商品選択する際の情報提供とするため、容器包装の前面に表示することとされています。

 
 つまり「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを」と商品の前面のよく見える所に必ず書けと言うのである。
 
 レレレレレレのレ!!!!
 
 それって特定保健用食品に頼るな。食事だけで栄養のバランスを考えろ!って事じゃないですか?
 なら、馬鹿馬鹿しい特定保健用食品の制度を止めればいい。何のための制度なのか。わざわざ政府が曖昧な宣伝文句を増やして、無用な混乱を招いているだけ。
 無知な消費者には特定保健用食品の字句がご老公の印籠になっていることが一番の問題だ。
 
 自己否定も甚だしい。