おばちゃんが並んで食べる五平餅

 小さい頃から五平餅は馴染みではなかった。駄菓子屋で見たこともなかったし、近くの茶店や屋台で売られていることもなかった。
 世界の珍味、日本の珍味がいつでもどこでも簡単に食べられるようになって、急速に五平餅は普及したように思う。焼きおにぎりを串刺しにした奇妙な食べ物だ。どちらかを選べと言われたら、迷わず焼きおにぎりを選ぶ。串刺しにして一見食べやすそうだが、五平餅は薄くて食べ甲斐がなく、少し柔らかいと形が崩れて落ちてしまうし、アイス・キャンディから転用した薄板の串はご飯粒がこびり付いているので最後のこべこべは前歯でこそぎ落とさなければならない。
 
 五平餅のイメージからてっきり東北地方の伝統的なおやつだと思い込んでいた。
 
 調べたら、なんと『木曽・伊那・飛騨地方や三河地方などで見られる郷土料理』なんだって。まいったネ。ご近所ではありませんか。チィ〜とも知りませんでした。中央高速道路の開通で一気に全国区になったんでしょうか?(これは私の勝手な憶測)。

 ということで、携帯に便利な五平餅をもっとみんなで食べましょう。
 
 注:文中の『こべこべ』はてこてこの名古屋弁で、「服などに物が付いて固まった様子」を言うんだけど、ひょっとしたら、これも全国区になってるかな?