ヒメ 16歳

ヒメ

 惚けが始まっているらしく、日がな一日寝ていて、起きては食べる。惚けが食欲に凝縮しているらしい。元々食べ物により好みはしないので、その点は楽なのだが、一度にたくさん与えると限度を知らずに食べて吐いたりする。だから、少しずつ与える。
 お年だが、甘える時は甘える。甘えてくると抱っこしてやるまで離れずまとわりつく。喉を余り鳴らさないヒメだが、この時ばかりはやかましいぐらいに喉を鳴らす。抱っこしていると、犬のリサが恨めしそうに部屋の隅から見ている。ヒメの次はリサが甘えてくる。
 人の足を見るとベッド代わりにして眠り始める。写真ではわからないが、ヒメの下には私の足がある。
 ヒメは紐に目がない。紐がぶら下がっていたりすると、ついついじゃれつく。こればっかりは年を経ても変わらない。